私たちの身のまわりには、食品から腸内細菌まで平和的に共存する安全なものや、病原細菌や病原性ウイルス、ガン細胞などのように危険なものがいます。免疫系とは、この安全で必要なものは排除せずに、体にダメージを与える危険なものだけと戦って排除するという合理的で賢い仕組みのことなのです。意外にも、人間の中で最も原始的器官である[腸]がその鍵を握っているのです。
[腸管]そのものは身体の中にありながら外界と同じ。種々雑多な敵と味方が入り乱れ、正に混沌(カオス)が腸管内を占拠していますが、だからこそ全免疫細胞の70%が集まっているほど、免疫機能が十二分に用意されている器官でもあるのです。常に危険を排除していかなければなりませんが、有用な必要成分は摂り込まなければなりません。免疫の基盤は、正に[腸管免疫力]。[腸]は言わば免疫最前線なのです…。