知っておきたい「老人性うつ」❷

認知症とどう違うの?
老人性うつ、認知症ともに抑うつ症状が現れることもあり、その区別が難しい場合があります。
認知症だと思ったらうつ病だったり、また、その逆の場合もあります。本人が症状を自覚するのは難しいので、家族など周囲の入が早く気付くことが何よりも重要です。

老人性うつ       
               
初期の症状      気分の落ち込みや体調不良
病気の進行      短期間で諸症状が出る
物忘れの有無と自覚  物忘れがあり、本人も自覚している
自責の念       強く感じて、気分の落ち込みに拍車がかかる
受け答え       質問の理解に時間がかかり、回答ができない場合もある
一日の症状変化    寝起きに調子が悪くなる

認知症
記憶障害や性格の変化
ゆっくり進行する
物忘れがあり、本人は自覚していない
疾患の自覚が薄れているので、感じにくい
的外れな回答をし、それを指摘されると取りつくろう
変化は比較的少ない

予防や治療は?
老人性うつは、心の弱さなどによって起こるのではありません。脳の働きの不調によって起こる病気であり、誰でも注意が必要です。
日ごろから予防を心がけましょう。家族や周囲の人たちも、声をかけるなどして一人きりにさせないようにすることも大事です。

老人性うつにならないために
●起床・就寝時刻を決め生活リズムを整えよう
●適度な運動などで身体を動かすようにしよう
●同年代や若い人とも積極的に話し交流しよう
●趣味などで楽しいと感じる時間を持とう

発症をチェックするポイントは
●退職や死別など生活に変化があったか
●睡眠不足や食欲が低下していないか
●原因なしに身体不良や疲労感があるか
●趣味や楽しみへのやる気が続いているか

発症しても、治療で改善します!
たとえ老人性うつを発症しても、専門的な判断のもとで適切な治療をすれば改善が可能です。できるだけ早く医師に相談しましょう。

※気になる方は「心療内科」や「精神科」、「メンタルクリニック」を受診しましょう。
 抵抗があるようなら、初めはかかりつけ医に相談すると良いでしょう。